ペンギンハイウェイ ひたすらに淡くて素敵な本
- 作者: 森見登美彦,くまおり純
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2012/11/22
- メディア: 文庫
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お初にお目にかかります。
僕の名前はeddieと申します!
このブログでは
僕の大好きな本、映画、音楽を紹介し感想を述べていきたいと思っています。
慣れていないゆえ拙いところもあるでしょうが、
このブログを読んで実際にオススメに手を伸ばしていただけると幸いです。
さて、
さっそくですがペンギンハイウェイをあなたはご存知ですか?
映画にもなっているので
もしかすると、映像作品として既にご覧になっているかな。
今回、僕が紹介したいのは「本」としてのペンギンハイウェイです。
僕はまだ映画を見ていないので、本と映画、それぞれの印象が混ざらないように観賞する前に感想を残しておきたいのです。
著者は「四畳半神話大系」「夜は短し歩けよ乙女」でも大変有名な、
森見 登美彦 氏 です。
どちらの作品も快活なリズムで読み進める内に森見氏の世界にのめり込むことが出来る非常におもちろい本です。是非、読んでみて下さい。お友達パンチ。
ペンギンハイウェイは上記の2作と比較すると色が違うんです。
聡明で大人びているけど、それでもまだ子どもな青山君。
子供心溢れる、けどやっぱり大人なお姉さんに恋をしているんです。
憧れているといった方が正しいかもしれませんね。
子どもの頃って目にするものや感じるものが余りにも多すぎて一つ一つを的確なカテゴリーに分けていくなんて出来なかったものです。
朝の透き通るような空気、道端の名前も知らない草花、
通学路で遭遇する犬や猫、ちょうどいい長さの木の棒、
体よりずっと大きい校庭、遊び疲れた後の晩御飯、などなど…
どれもこれも僕たちの好奇心を刺激して止まなかったですよね。
ペンギンハイウェイは子ども時代の名前も付けられなかったワクワクに
それぞれ名前をつけて思い出させてくれるのです。
青山君という一人の少年を通して。
思い出させてくれるだけではありません。
自分が体験していないことまで、
体験していたらきっとこんな気持ちに僕もなっただろうな、と。
そう思わせてくれるのです。
これこそ小説の神髄だと僕は思います。
町の中にあるどこまでも続く森の中を冒険したら、
大人のお姉さんに恋をしたら、
町の中に突然ペンギンの行列が出来たら、
お姉さんには誰にも言わない秘密があったら、
どれもこれも青山君の心理描写が抜群なんです。
ここまで子どもの純粋な精神を描けるものなのかと感じます。
青山君の言葉に、
「他人に負けることは恥ずかしいことではないが、
昨日の自分に負けるのは恥ずかしいことだ。」
というものがあります。
とても素敵な考え方ですよね。
最近なんだかワクワクしなくなってしまった方や、
子どもの頃の淡い情景を思い起こしたい方、
映画を見て青山君とお姉さんのファンになった方、
是非、この「ペンギンハイウェイ」を読んでみて下さいね。